こんにちは、ハロゲンです。
前回と引き続き無料のサービスや
無料の商品のことについて話していきたいと思います。
前回は、なぜ人が無料という言葉に弱いのか
行動経済学者のダン・アリエリーの実験を交えて話しました。
今回は、この記事の続きのようなもので
無料のサービスや商品を使い終わった後に
なぜ有料のサービス、しょうひんを使ってしまうのか?
について心理的に話していきます。
確かにそのサービスや商品が良くて
継続して使っている場合もあるでしょう。
でも実はそう思っていても
無意識に心理的作用が働いているかもしれません。
だからこの記事をみて
少しでも無料のサービス、商品から有料のものにする時には、
注意してもらいたいと思います。
では、本代に入るとしましょう!
最初に無料のサービス、商品に隠れた3つの心理作用を言いますと
・返報性の原理
・保有効果、授かり効果
・現状維持バイアス
の3つです。
多分なんだよそれ!
と思った人が多くいると思うので
実験も交えつつ話していきますね。
返報性の原理
返報性の原理というのは、
人から何か親切や物をもらったら返したくなることです。
よくギブアンドテイクと言いますが
これが返報性の原理を良く物語っています。
実際の例を挙げる前に
まずは、この返報性の原理が良くわかる実験を紹介したいと思います。
心理学者のデニス・リーガンがやった実験で
2人の被験者を絵画鑑賞と称し
絵画の評価をさせます。
ですがこの絵画鑑賞はただの実験を紛らわすだけのもので
ここからが本題の実験になってきます。
実は被験者のうちの1人は、サクラで
この絵画鑑賞の休憩時間にコーラを2人分
つまり、もう一人の被験者のために買ってきて
コーラを渡します。
そしてこの絵画鑑賞が終わった後に
サクラの被験者がある頼みごとをします。
その頼み事は、
「一枚25セントのクジのチケットを買ってくれないか?」
「何枚でもいいんだ」
と言います。
そしてチケットを買ってくれた額がどのくらいになるか
この実験と並行して行われていた
休憩時間になにも親切をしないグループと比較しました。
そしたらどのくらいチケットを買ってくれた額に
差が出たと思いますか?
ちなみにこの実験が行われた当時のコーラの値段は、10セント
チケット1枚以下の値段です。
さてさて結果をいうと
何も親切をしなかったグループと比較すると
なんと2倍もチケットを買い取りました。
コーラを受け取ったグループは、
平均して2枚を買い取ったらしいです。
そしてチケットが2枚ということは、
ようは、50セントを支払った問うことです。
つまり10セントのコーラを渡すという小さな親切をすることで
5倍の効果を上げたんです。
凄い効果ですよね。
これが返報性の原理の力です。
で、これが実際には、
無料のコンテンツで使われています。
この返報性の原理が良くわかるのは、
無料の化粧品の支給品とかです。
この支給品は、かなりの質で提供していることが多く
これを使って人は、「こんなに良いものを無料で使うなんて申し訳ない」
と思うわけです。
そうなると返報性の原理が発動!
申し訳ないから
有料で売っているのを買おう!
となるわけなんですね。
他には、
無料の電話サービスとかもそうです。
無料で電話で相談をしてもらうことで
「ここまで親切に無料で教えてもらうのは、申し訳ない」となり
実際に有料のサービスに申し込んでしまったりするわけです。
小さないことだと
街中で配っているティッシュも
宣伝も狙っていますが返報性の原理も使っています。
このように返報性の原理は、
世の中にあふれかえっていて
無料のコンテンツには、必ずといっていいほど
使われています。
だから、僕たちが返報性の原理に対応するには、
「申し訳ないから」という理由で判断をするのではなくて
本当に有料で使うべきものなのか?
ということしっかりと考えなくていけないんです。
もし、なにか物をもらった時に
返したいと思ったなら
一度返報性の原理を疑ってみてください。
そうすれば返報性の原理を防ぐことができるかもしれません。
保有効果
保有効果とは、人が長く保有しているものほど
高く評価するというものです。
授かり効果ともいう場合もあります。
この保有効果を分かってもらうために
ある実験を紹介します。
これは、エイモス・ドヴェルスキーとダニエル・カーネマンがやった実験で
学生グループに買い手と売り手の二つに分かれてやりました。
売り手側は、マグカップを渡され
いくら以上なら売るかを
決めさせられました。
そして買い手側は、
マグカップをいくら以下なら買うか
決めさせられました。
おそらく保有効果を説明した後なので
実験結果は、想像がつくと思いますが
少しでもいいので考えてみてください。
買い手と売り手の違いは、
マグカップを持っているか持っていないかの違いだけです。
普通に考えれば
買い手と売り手の判断基準は、
大きな変化は生まないと考えられます。
ですが実際の実験結果は、
驚くべきことになりました。
買い手は、平均して2.25ドルまでなら払うといいましたが
売り手は、その2倍以上の値段の要求をしてきたんです。
これは、もう原因を分かっているかもしれませんが
保有効果により売り手は、
自分が所有しているマグカップを高く見積もってしまったんです。
ここでもう一つ保有効果に関係する実験を紹介します。
オハイオ州立大学とイリノイ州大学の研究で
同じようにマグカップを使った実験をしました。
その実験では、30秒間マグカップを持っていた人は、
10秒未満マグカップを持っていた人よりも
多くのお金を支払うことを惜しまなかったそうです。
たったの30秒というのが
驚きですよね。
これも保有効果によるもので
30秒間実際に手に取って
保有したことにより
マグカップの評価が上がったんです。
で、この保有効果は、無料のサービス期間後の
有料期間移行の際や
無料サンプル終了後など生じます。
ようは、無料サービスで使い続けたため
保有効果により高くそのサービスを評価するようになります。
そのため有料でもいいから
使いたいとなるわけです。
そしてこれは、無料サンプルでも同じです。
無料サンプルを使っているうちに
保有効果が働き高く評価するようになる。
そのため有料版を頼んだりしてしまうわけです。
このように保有効果は、
かなりのものに対して行われますが
一番いい例は、
返金保証があるものでしょう。
気にいらなかったら返金保証あり!
とよく電化製品や化粧品などで見かけますが
あれも保有効果をうまく使っています。
まず「返金保証あり!」とすることで
買い手からしたら
「気にいらなかったら返金すればいいや」とか
「返金保証するということは、かなりの自信があるんだな」と思わせ
商品を買うハードルを下げることが可能になります。
そして商品を買った後には、
商品が届き実際に手に取って
使ってみることにより保有効果が働きます。
つまり、商品に対して高い評価を出すようになるんです。
そして[気にいらなかったら返金すればいいや」
と思っている人ほど最初の期待値が低いので
なおさら高い評価になります。
そのため実際に返金をする人は全くいないわけではないですが
かなり少数になるわけです。
ここまで話してきた保有効果ですが
マグカップを30秒持つと
10秒未満の人よりも高く評価するようになるように
短い時間でも働きます。
だから、服を試着したり
野菜を選んだりする時に
実際に手に取る時に
保有効果が働いてしまいます。
そして高い評価したため
値段が少し高くても買ってしまうんですね。
そのため実際に手に取る時には、
保有効果を受けないために注意が必要になってきます。
逆にこれを知っていれば
サービスを継続するときに
これは保有効果により評価を高く見積もっているのでは?
と疑うことができるし
返金保証付きの商品を買うときも
多少なりとも保有効果に騙されることは減ると思います。
あと、この保有効果無意識化に生じるものなので
常に疑うことを癖にすることが
大事になってくるんです。
現状維持バイアス
現状維持バイアスとは、名前の通り
現状をできるだけ維持したいと思い込みことです。
たとえば、
サービス継続するときも
「このサービスを停止したらなにか損をするのでは?」
と勝手な思い込みをします。
そして人は、損をするのが嫌いなので
それを避けようとし
損を絶対しない今の現状を維持しようと思います。
(損失をするのがなぜ嫌いなのか?
知りたい方は、この記事に書いてあります)
→
これが現状維持バイアスの原理です。
で、これは、実際に無料サービスや無料サンプル後にも生じます。
化粧品の無料サンプルでサンプルがなくなった後では、
今の自分の肌はこの化粧品があったからだ!
と思い込みます。
そしてもし使わなくなって
ひどくなったらどうしようと思うようになり
一番安定している現状を維持しようとします。
そのため有料の商品を注文して
継続して使うようになるんです。
これが同じ商品やサービスを
使い続けたりしてしまう原因でもあります。
まあこれは、人類史を考えると分かります。
昔は、いつもと違う場所に行くとなると未知な場所なので
かなりの寒さかもしれないですし
危険な生物が多くいるかもしれません。
また、新しい食べ物を食べようと思っても
毒があるかもしれませんし
病気にかかるかもしれないです。
そのため昔を考えると現状と違うことをすると
少なからず危険が伴うんです。
だから、今でも現状を打破するのは、
難しいし行動できないわけで
このような過去のことが現状維持バイアスにかかわっているんです。
でも人は、この現状維持バイアスをうち破ってきたからこそ
発達してきたことも確かです。
それは、
世界各地にホモサピエンスがいるのと
様々な食べ物、建築、文化が
あるのが良い証拠です。
かなり話が逸れてしまったんですけど
この現状バイアスは、
現状を維持しようと安定を望む人類にとって普通のことで
何も気にする必要はありません。
大多数の人がそうなんですから
でも少なからず現状維持をしていて良くないこともあるはずです。
だから今の現状に
一歩下がって疑うことが大事になってくるんです。
無料サンプルを使い終わった後やサービスの変更でも
このサンプルを有料で使う価値はあるのか?
もっといい商品があるのでは?
違うサービスに乗り換えてみるのもいいのでは?
というように疑ってみましょう!
そうすれば疑う癖がついて
思い込みに騙されないようになります。
是非何事も疑うことからやってみてくださいね。
まとめ
今回の記事では、無料サンプル、サービスの後に
なぜ、使い続けてしまうのか?
に焦点を当てて話しました。
もう一度纏めると
・返報性の原理
・保有効果
・現状維持バイアス
の3つです。
この記事では、1つづつ話しましたが
実際は、すべてが同時にかかっています。
そのためこれらの力が大きくなって
追加で買ってしまったり
してしまうんですね。
でも逆にこの効果を知っていれば
疑う対策を立てられますし
今、返報性の原理にかかっているのでは?
と思うこともできるようになります。
だから普段から何回も言っていますが
疑うことが大事になってくるんです。
僕もできていると思っていませんが
意識することで変わってきます。
そして街を歩いていても
あれは、返報性の原理をつかっているなとか
色々発見があって楽しいですよ。
だからこれらのことは、
知っておいて損はないです。
なのでぜひこの記事で学んだことを
実際に意識してみてくださいね。
そして現状維持バイアスに騙されないで
現状を変えてみてください。
それでは!